年末年始になると、何故か特撮ものが見たくなる。
どーも、ロッカリアです。
今日はクリスマスイブですね、今年も僕が、フライドチキン、バジルソースのパスタに生ハムとベビーリーフのサラダを作り、奥さんはケーキを買って来てくれたので、これから食べようと思います(←何お幸せアピールじゃ?)
本日はエッセイ風に話を進めていきましょうか。
年末年始になると、特撮ものが見たくなる。
今年は特に、特撮テレビ。
大晦日の夜、鍋の湯気が立ち上る台所で、「そろそろ特撮でも観ようか」と心の中で誰かが囁く。
この時期は、日常と非日常が曖昧になる。
普段通りの景色にどこか異質な空気が混ざるような、そんな感覚だ。
特撮はその曖昧な空間に寄り添ってくる、そんな感じがします。
現実のようでいて、少しだけ現実を越えた世界。
小学生の頃、冬休みに「ウルトラマン」や「ウルトラセブン」『ガメラ』をこたつで観ていた記憶がある。
湯気で曇る窓の向こうに見える怪獣の影。
それは非日常でありながら、なぜか温かい日常の一部だった。
そして今も、冷たい風の吹く夜に、リモコンを手に取り、画面に映る特撮の世界に引き込まれる。
それは過去と今を繋ぐ、まるで小さな儀式のようだ。。
年末年始は、特撮にとってもきっと特別な季節なのだろう。
特に、以前紹介した本、【「ウルトラQ」「ウルトラマン」全67作撮影秘話: ヒロインの記憶】を読むと、あの頃にタイムスリップしてしまいます。
ウルトラマンとヒロインの秘密
1960年代半ばの日本のテレビは、奇妙な熱気に満ちていた。
「ウルトラQ」や「ウルトラマン」といった特撮番組は、まるで世界の裂け目から現れた新種の怪物のように、突如として現れ、少年少女たちの心を掴んで離さなかった。
桜井浩子はその裂け目の中心にいた。
彼女がヒロインとして演じた由利子やフジ隊員は、ただのキャラクターではない。
あれは、当時の日本の夢や不安をそのまま引き受けた象徴だった。
そして彼女が書いた本、「ウルトラQ」「ウルトラマン」全67作撮影秘話: ヒロインの記憶』は、その夢と不安の背後に隠された世界を垣間見ることができる、いわば秘密の鍵のような存在だ。
例えば、「ウルトラQ」第3話「宇宙からの贈りもの」で、由利子がつけていたペンダントが突然巨大化するシーン。
どうやって撮影したのか? 誰もが不思議に思ったはずだ。
その答えがここにある。
また、第9話「クモ男爵」で共演した若林映子のエピソードは、絶対この本を読まなければ、知り得ることが出来なかっただろう、逸話が楽しい。
さらに、あの独特の、怪奇趣味全開の洋館エピソード、沼にハマってしまった西条、その後の話にもニヤリとさせられます。
特殊なトリックと、スタッフの試行錯誤。
まるで目に見えないパズルを、解いているような感覚が伝わって来ますね。
『ウルトラマン』第5話「ミロガンダの秘密」では、科学特捜隊本部の自動ドアをどう動かしたのかが語られる。
それは驚くほどシンプルな仕掛けだった。
しかし、その仕掛けを生み出すには、誰かの根気と、他者には理解されにくいほどの想像力が必要だったはずだ。
その「誰か」がそこにいた、と言うことが、なぜか僕の胸を少しだけ温かくする。
青山通のコラムも収録されています。
これがまた、読むと妙に心に染みるんです。
ウルトラマンの音楽についての一節では、あの特徴的なテーマ曲がどのように作られたのかを掘り下げている。
桜井浩子と青山通は、この本で、あの時代の特撮制作現場に漂っていた「空気感」を見事に抽出しています。
それは煙草の煙とコーヒーの香り、そして何かが生まれる直前の、緊張感のようなものだ。
特撮は、単なる映像技術ではない。
それは、時代がひそかに編み出した一つの神話体系なのだと思う。
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