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1月10日、デビッド・ボウイとジェフ・ベックを偲ぶ日

1月10日という日には、何か特別な響きがある

どーも、ロッカリアです。
この1月10日と言う日は、ロックファンにとっては特別な1日じゃないでしょうか。
少なくとも僕にとっては。
それは、音楽の歴史の中で二人の偉大な人物が、偶然にも同じ日にこの世界を去った日だから。
2016年にデビッド・ボウイが、そして2023年にはジェフ・ベックが。
二人の名前を聞くだけで、ある特定の空気や風景、匂いが立ち上がってくるような気がする。

デビッド・ボウイ――星の旅人

デビッド・ボウイの音楽は、まるで長い夜行列車の旅みたいなものだ。
最初は「Space Oddity」のように宇宙を漂う孤独な感覚で始まるけれど、気づけば「Heroes」や「Ziggy Stardust」のようにまぶしい光が差し込む風景に行き着いている。
そして『Blackstar』――彼の最後のアルバムは、何とも言えない薄闇の中でゆっくりと消えていくような感触を残す作品だった。
ボウイの人生は、ある意味で無数の「別人」たちの集合体だった。
彼はグラムロックの奇妙な宇宙人でもあり、ベルリンの静かなアーティストでもあり、最後には死そのものを作品に昇華した一人の人間だった。それができる人はそう多くない。
いや、ボウイだからできたのだと思う。

ジェフ・ベック――音を紡ぐ指先

一方、ジェフ・ベックはどうだろう?
彼のギターの音色を一度でも耳にしたことがあるなら、きっと忘れられないだろう。
彼の音楽はまるで誰かが一本の糸を静かに紡ぎながら、それで風景を描き出しているかのようだった。ヤードバーズでの激しいロックンロールから、フュージョン、ブルース、そして自身の世界観を展開した『Blow by Blow』や『Wired』まで、彼はどんな音楽もギターで語ることができた。
彼の指先から紡ぎ出される音楽は、ロックという言葉だけでは表現しきれない柔らかさと深さを持っていた。
それはまるで、心の中でそっと流れる小川のようだった。
音楽に興味がなくても、彼の音を聴けば心が静かに揺れるのを感じるはずだ。

《お知らせ》
日本独自企画ベスト盤『ザ・ベスト・オブ・ジェフ・ベック〜エピック・イヤーズ1971-2003』が2月5日に発売決定。2枚組・全31曲収録。(税込2,750円)

二人が教えてくれること

デビッド・ボウイとジェフ・ベック。この二人の音楽には、表面的には何の共通点もないように見える。
ボウイは言葉とキャラクターを駆使して多くを語り、ベックはギター一本で全てを語った。
しかし、その根底に流れるものは同じだったと思う。
自分自身を限界まで押し広げ、未知の領域を探り続ける探究心。
彼らの音楽を聴くことは、広大な海を小さなボートで渡る旅に似ている。
出発するときは行き先が分からない。
でも、たどり着いた場所では、何か新しいものが待っている。
ボウイもベックも、そんな旅を僕たちに何度も経験させてくれた。

エピローグ
今日は1月10日。
彼らがこの世界を去った日だ。
こんな日には、ボウイの『Blackstar』をかけながら、ベックの『Cause We’ve Ended As Lovers』を聴くのがいい。
静かに流れる音楽の中で、二人の遺したものをそっと胸に刻む。
それが、僕たちにできる最も誠実なことなのかもしれない。
そして、僕はコーヒーを淹れて、音楽に耳を傾ける。
きっと彼らもどこかで、この音を聴いているだろう……。

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